耳でキノコを育てたい《第三話 B》

向こうが上手

(次の日) チラシの番号に電話したら、すぐ来てくれるという。 「訪問料、見積料は無料です」
金などどうでもいい。
トイレを見た時のリアクションを想像するとワクワクしてきた。
40分も経たずにやってきた。迅速な対応にオレは感心した。
そして自慢の汚いトイレを披露してやった。
修理屋は表情一つ変えず
「何かが詰まっていますね。ちょっと吸引してみます」
「取れないですね。お見積りします」といって、何やら計算を始めた。
「さすがプロ、この程度の汚れでは驚かないのか」オレはまた感心してしまった。
トイレへの反応が無かったのはガッカリだが、まあいい。せっかくだから直してもらおう。
オレは金もちだ、いくらでも払ってやる。
「20万円です」
「は?」
聞いたことない単位だ。この世に千円以上の単位があるのか?オレは千円札以外を見たことないぞ。
「千円札200枚
「もしかして悪徳業者ではないか」
「汚いトイレで驚かそうとした自分が・・・・
騙された自分を恥じていると、トイレの隅に残っていたカビが目に入った。

オレは

オレの名前は「ぷっちょ」。
もう大人だが小学生低学年並みの汚い下ネタが大好きな男だ。
部屋にたくさんいるカビはオレの友達。夢は自分の耳の中でキノコを育てること。
これからよろしくウンコ!

筆者 きのこのこ

玄関のチラシ

「ん?」
オレは玄関ドアのポストからカラフルなチラシが飛び出していることに気付く。
「これは・・・水道修理のチラシ。」
チラシの下部には「”このチラシを見た!”で1000円OFF!」の文字。
「は?」
オレは舐められてるようだ、オレはこう見えてお金持ちなんだぞ。
だが丁度いい。
オレはずっと前から自慢の汚い詰まったトイレを誰かに見せたいと思っていた。
よし、明日起きたら水道修理屋を呼ぼう!

筆者 きのこのこ

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